上質で、品の良さをも感じていただける
kläuse (クロイゼ)より、Leather BackPackが届きました。

タンニン鞣しを施したアニリン加工の馬革の上部パーツと、
生後約2年の牝牛の皮（カウハイド）にタンニン鞣しを施し、
オイルを多めに浸み込ませた下部パーツからなる革のバックパック。

このレザーのバックパックに出会い、KläuseをSleepy PEOPLEで扱いたいと強く思いました。

タンニン鞣しとは、天然の植物（樹木の渋）を利用した製法で、手間はかかりますが、
より自然な風合いが楽しめ、使い込むほど柔らかくなる性質を持つ。
濡れても乾燥が早く伸びにくく、また吸水性が良く染料にも良く染まるものです。
革に渋を浸み込ませ、天日や乾燥室で乾燥させるという工程を数十回前後繰り返す為、
仕上がりに一か月前後を要し、手間と時間をかけて製作されています。

アニリン加工とは、革本来の肌目とクリアな発色をさせる染色の技法の事で、
通常、生きてきた時の傷などを顔料や染料で隠すことがありますが、
一頭一頭違う傷やシワをそのまま個性として表面にキレイな状態で見せる染色。
色も薄く乗せる程度なので、染料を極薄く浸み込ませただけで、
色ムラがあったり部位によって全く異なる表情を見せます。（かなり薄化粧というイメージ？）

革の風合いや質感を最大限に出せ、使い込むうちに色、手触り、風合いが変わります。
簡単に言えば、「あじ」を楽しむ革の加工です。

馬は自然を駆け回る為、どうしても傷が絶えません。
その傷を避けて裁断するので、カバンや衣料でも切り替えしを多用する事が多いのですが、
kläuseでは前後に大判を一枚ずつ、さらに通常は裏面（床面）に使用する面を表に使うので、
両方に傷が無い部分を使用する為、非常にロス（使えない部分）が多いです。
その為、一頭から2～3個程度しか製作できない贅沢な仕様です。

バックルは真鍮の素仕上げで、使い込むと味が出て、鈍い輝きに。
エクセラというファスナーを使用し、パーツ一つ一つに手作業にて磨きをかけているのだそう。
尖った部分が無く頑丈で、物を取り出す時にファスナーで手を引っ掻く事も無く、
開閉も非常にスムーズでストレスを感じません。

また、ステッチはミシンでのステッチと手縫いでのステッチをパーツによって変えています。
直線的な箇所のステッチは力が掛かる箇所なので、力が均一で強度が出るミシン糸で、直線でも短い距離やカーブは手縫い。
手縫いの部分は長い期間の使用で糸が切れる事が多い部分ですので、修理が割合容易にできるというメリットもあります。

馬革の床面を表にしたのは、光沢の無い深みのある床面と下部のオイルレザーのコントラストが綺麗だったのと、内側に表面（銀面）を使用する事で、ツルツルしていて物の出し入れが容易なのと、裏地など余計なものを無くし、シンプルな作りにできるからです。

味のある生地の風合い、クラシックな空気も纏いつつ、機能的で、現代にも調和する、
シンプルかつ細部まで考え抜かれたバックパック。

デザイン、素材の風合い、機能性も含めて、シンプルかつ細部まで考え抜かれたバックパック。
こういうリュックをずっと探していて、ようやく出会えました。
長い年月を共にしていきたい、素晴らしいバックパック。
多くの方に手に取っていただきたいです。