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KLASICA × Sleepy PEOPLE | SH-039 “SALT & PEPPER”

/ 洋服について

KLASICA × Sleepy PEOPLE
EXCLUSIVE MODEL
SH-039 “SALT & PEPPER”
2024.8.12 (mon) RELEASE!
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ONLINE SHOP
8.12(mon) 18:00 RELEASE!
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今年も秋の始まりはKLASICAから。前衛的な部分と時代を遡って価値のあるヴィンテージの空気の融合、調和。KLASICAの感覚はうちのスタイルにも無くてはならない根幹になっています。

KLASICAのラインナップの中にとても気に入っているSH-039と番号が振られたセミロングシャツがあります。たっぷり取られた身幅に対して、すっきりしたアームホールのバランス。台衿の高さとほぼ変わらない小さめの衿。クラシックで上品な印象もありながら、チャーミングな要素もあって大好きなシルエットのシャツ。

軽い羽織りとしても重宝するし、ジャケットやコートの中に着る時も程良い存在感を放ってくれて、良いところしかない、このSH-039をブラックシャンブレー生地で別注リクエスト。



ブラックシャンブレーは元々大好きな生地、なのですが直球のワークシャツ、ワークコート着るのは気分的にちょっと…だったので、ワークウェアを代表するこの生地をSH-039のパターンに乗せてもらえたら、上品かつ、味のあるとても新鮮な良いバランスになると思ったんです。

色のトーンは黒よりグレー寄り、USではなくユーロの空気感の生地の表情を、とだけリクエストしたのですが、生地の表情はもちろん、縫製仕様、ボタン etc.. 細やかなところまでとても力を注いでいただきました。想像以上に素晴らしい仕上がりに満足しています。

撚り杢の生地の表情、前立てとカフスの裏からチラリと覗く赤耳、ナッツの猫目ボタン、USワークの匂いもほのかに加えてあり最高です。


やはり軍パンとブラックシャンブレーは相性抜群。永遠に好きなスタイル。しかしこのバランスはクラシックかつモードな空気もあって、今までにない新鮮さを感じています。閉じるとロングシャツ、羽織るとシャツコート。かなり良いです。

デザイナー河村さんからの解説も以下に抜粋して掲載させていただきます。自分も読んでいてより理解が深まり、さらに好きになりました。ぜひ必読でお願い致します。


SH-039 “SALT & PEPPER”
for Sleepy PEOPLE
SH-039 とは…

シーズンごとに更新されていくKLASICAのコレクションの中でも、シャツはいつも重視しています。シンプルから少しデコラティブまで歴代多くのモデルが存在しますが、現在のKLASICAスタンダードとしてラインナップの中核にあるモデルが今回のベースモデル、SH-039です。”39”とは見たとおり39番目のパターンNo.を意味します。2022春夏コレクションが初リリース。

SH-039の主な特徴をあらためてお伝えします。セミロングの着丈はクラシックな印象を視覚的に与えます。見た目はクラシックですが、ストレスを感じないリラックスフィットのボディバランスを採用しています。ボディ同様に相にもゆとりを持たせています。アームホールに一箇所タックをとり、可動域や着心地の良さを増しています。

ゆとりを持たせたボディに対して、ショートポイントの羽衿は台衿に沿うラウンドしたパターンでコンパクトに合わせています。これはフランスのワークウェアやレディスのブラウスに多く見られますが、あえてそのバランスを取り入れています。フロント合わせはイギリス軍のシャツやアンティークに見られるせり出したカットになっています。

視覚的にはカジュアルに見えますが、細密運針に加えて仕立ては細かいところまでドレスシャツの仕様になっています。

袖や脇の折伏縫い、前端からヘムの三巻は限界の3ミリの細さです。そしてそのへムは「一般的ではない」唯一の箇所でもあります。本来内側に来る縫いしろが外に出ています。これは前立ての作りと関係してきますが、巻縫いの端が「ボロ」と呼ばれる断ち切りのまま前立ての下で、ステッチで抑え込まれるのが一般的です。

KLASICAでは「vintageがこうだから」という思考停止をせず、巻縫いを美しく前立てに滑り込ませます。一手間増やしても綺麗に仕上げてみたいという、やや偏屈なこだわりから生まれたディテールです。合わせて、ペンタゴンガゼットも表にセットしています。

このようにリラックスさを見せる全体像に対して、シャープに仕上げた細かいディテールの積み重ねが引き締まった印象を与える、それが”SH-039です。

丈が長いので、タックアウトしたスタイリングを基本にとらえているものの、もちろんタックインしてたっぷりブラウジングした着方もおすすめです。ドレストラウザーにミリタリーパンツ、ショートパンツやスカートと、似合うものを選ばないキャラクターです。

また、着方のイメージが広がりますので、これかな?と感じたサイズの前後も試していただきたいところ。どちらもいいムードを感じさせてくれるはずです。

ここまでSH-039とは..?という長い話が続きましたが、ここからは今回のSleepy PEOPLEバージョンについて。

リクエストは、インラインでは扱うことのないSALT & PEPPERのご存じ、通称「黒シャン」でのご依頼。ヨーロッパのヴィンテージワークウェアでご存知のかたも多いはず。(コレ、オールドUSのワークウェアにももちろん存在します)。様々な糸の擦りや配合があるのですが、今回はオールド感のあるベーシックなセルビッジシャンブレーを使用しました。

SLPバージョンを作成するにあたり考えたこと。それはドレス仕立ての39を「ワークシャツのテイストで仕上げてくれないか」まさしくこの一点に違いないと確言しました(笑)

カタチにしていく上での、おもな変更点をお伝えします。

今回の素材に合わせたパターンをこのモデル専用に改めて作成。縮率など。
・ドレス仕様からカジュアル化で3mmから4mmへ巻幅変更
・裏側に一部セルビッジを使用して、ワークシャツのムードを加えました
・縫製糸はやや太くして50番手にアップ。表地とともに褪色するコアヤーン糸で
・ボタンはクラシックワークのムードをもつ、ポリッシュナッツの猫目に
・ステッチのピッチはピーキーにせず、スタンダードに

全て製品洗いをかけたので、洗濯しても大きくサイズが変わることはありません。

いかがでしたでしょうか?
こちらのスタイリングは店頭に譲るとして、アトリエからお伝えできることはたぶんコレで全て。レアピースとなりそうな(?)SH-039/S&Pが完成しました。飛び抜けた面白さや育抜さではなく、控えめな存在感、そして質実さをしっかりとはらんだSleepy PEOPLE らしいモデルになっているように私も感じています。皆様のお手元にそっと届きますように!


男女共にスタイリングの自由度も高く、季節も問わないので、多くの時間を共にしていただけるかと。写真ではうまく表現できていないですが、とても軽くて速乾性も高く扱いやすい生地です。着れば着る程風合いも増していきます。ぜひ多くの方に手に取っていただきたいです。

KLASICA × Sleepy PEOPLE
EXCLUSIVE MODEL
SH-039 “SALT & PEPPER”
size 1 , 2 , 3 , 4
¥39,600 (tax in)

KLASICA 24AWの新作もお盆明けから順次スタート予定。今期のKLASICAもぜひご期待ください。

HIRAKU FUJIKAWA

「ねむたいひとたちは ねむれるばしょさえあれば どこでもいいのです。」 4歳の娘の、好きな絵本のはじまりが妙にしっくりきて、こんな気持ちで店を続けたいなあと思い、店の名前を名付けました。

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